牛のこころ、人知らず

月曜日, 10月 02, 2006

放牧サミット-2

放牧サミットでは、現地の視察もありました。前日が、発表会(研究成果や現地の紹介事例など)がありまして、その翌日に、阿蘇周辺の放牧地などを見ました。
そこで、個人的に勉強になったのは、褐毛種(いわゆる阿蘇の赤牛)の体格です。放牧されていた赤牛は、どう見ても太りすぎでしたが、農家に聞くと「夏場は、やや肥えて冬には、やせる」とのことでした。
本来、今までの感覚では、北海道などでは、夏はやせて、冬に太るというパターンだったので、?????の感じですが、夏には草が豊富でたくさん食べて太っておき、冬には草が少なくなるのでやせるのかと改めて考えるとどうも「当たり前だよ!」ということですが、今までの経験則を型にはめるような考えにふと気づくと、恥ずかしくなります。
赤牛は、非常におとなしくて飼いやすい牛であることは、知っていましたが、今回熊本でみると、赤牛の利用性が高いと言う感じを受けました。
しかし、現実は厳しく、黒毛和種に押されて頭数は減少気味です。この理由は、黒毛和種より霜降りになりにくいために、肉の値段が安くなっているので、同じように飼うのであれば、値段の高く売れる黒毛和種になっていくのも、経済原則からみると理解できます。

オーストラリアに行くと、実は肉牛でもその品種はたくさんいて、それぞれの特徴をいかした肉牛の生産をしています。気温の高いところでは、こぶ牛がいたり、中には皮下脂肪がほどんどつかない肉牛(リムジン種)がいたりと、オージービーフといっても実際はいろいろな牛がいるのです。

ただ日本では、霜降り信仰がありますので、すぐには難しいでしょうが、高齢化社会になればなるほど良質蛋白源の牛肉が見直されると、赤身の国産牛肉の出番も近いと思っているのは、私だけかな???