牛のこころ、人知らず

月曜日, 1月 11, 2016

酪農コンサル

久しぶりに酪農コンサルに行きました。
お世話になっている方からのお願いで行きましたが、かなり問題でした。
もちろんコンサル依頼があるところでは問題があるから仕事になるのですが?
去年の夏から乳量も低下して、乳質も悪くなり、繁殖も停滞して、分娩後のケトーシスが増加しているといった状況でした。
牛を良く見ると、糞の鎧がびっしりと付いており、過肥の牛はいませんが痩せすぎた牛はいました。
肢節の腫れた牛はいませんが、乳房は白くて毛が長くなっており、皮下の脂肪はゆるゆるでした。
糞性状は、全体に緩く、軟便気味の牛も目立ちました。
これは大変だなあー!
1頭当たりの乳量も23kg程度で以前より20%以上低下しており、これまでどうしていたのかな?とう疑問が生じました。
話を聞くとこれまで担当していた方がいなくなり、素人集団でやってきていたので牛が良い状態なのか悪い状態かもよくわかっていないことが判明!

さてどうするかが難しいのですが、出来るだけ早めに成果を上げることですが、これだけ牛が痛んでいるとしばらく時間が掛かりそうです。
問題は、TMR飼料の給与にあります。頭数も少なくでスタンチョンなのにTMR飼料(ドライタイプでした)の給与がずれているのです。
TMR飼料は、粗飼料と濃厚飼料をバランスよく配合しており、理想的と思われていますが個人的にはTMR飼料だけでは牛のトラブルは解決できないと思っています。
特にTMR飼料では、ルーメン機能を安定させて最大限の効果を上げれないと思います。
ここまで断言すると「お前は馬鹿か}と言われます。しかしTMR飼料給与している現場では牛のコンディションが非常に悪いところが多くあり過ぎます。
何故TMR飼料ではうまくいかないのでしょうか?

ある事例では、TMR飼料給与の他に別途に切断されていない乾草(長さと硬さのある)を自由採食できるようにしていた時には、蹄病もほとんどなく、乳量も30kgを超えていました。ところが乾草をTMR飼料に入れるようにしたところしばらくすると乳量が10%低下して、蹄病も発生して、廃用率が高まりました。
たった乾草のことだけでどうして調子が悪くなるのでしょうか?
TMR飼料は、TMRミキサーの中で繊維質を撹拌することで壊します。繊維質が細かくなり(短くなり)、繊維の硬さも低下します。しかし、飼料計算上では、繊維が短くても長くても栄養価は変わりませんが、その繊維はルーメンおよび下部消化管に与えている影響は大きいのです。

今回のコンサルも基本に立ち返り、乾草給与(チモシー1番草)を3kg程度やってTMR飼料を減らすことにしました。オーツヘイもやっていたのですが、とりあえずチモシー乾草のみで繊維を十分に食べさせてから本格的な改善することにしました。

何故、チモシー乾草が良くてオーツヘイではだめなのかは、次回に¥までお待ち下さい。