牛のこころ、人知らず

日曜日, 10月 15, 2006

放牧牛乳とは-2

放牧草を食べた牛の牛乳は、サラットして飲みやすいと思います。
北海道などでは、夏はサラットした飲みやすい牛乳で、冬はやや濃厚な牛乳になります。
これは、放牧草を食べている夏と牛舎の中でサイレージや乾草を食べている違いによります。
よく考えると、一年中放牧牛乳と言えるのは、西南地域だけで、降雪地帯や冬に牧草が出来ない
地域は、冬期間は「放牧牛乳」とは、言えないのです。(当たり前ですが!!)
「放牧牛乳」といっても、1日中放牧されているのと、6時間程度放牧されているのでは、違いがありますから、これの基準といっても難しいものがあります。
しかし、放牧を否定するのではなく、別な視点でみると、まだまだ面白いことがあります。
それは、牛乳中の機能性成分が、放牧によってアップすることがわかっています。
機能性成分としては、ビタミンA(カロチン)やビタミンEなどの脂溶性ビタミンが増えます。
それよりも、今の時代に反映されるのは、やはり免疫性のある物質だと思います。
牛乳中に含まれる、免疫成分としては、免疫グロブリンラクトフェリンラクトパーオキシダーゼなどがりますが、放牧により増える傾向があります。
これらの免疫成分は、主として初乳中に含まれており、人でもそうですが、赤ちゃんの免疫強化して
体を守る働きがあります。
今これらの成分を人が摂取することで、がんや肝機能の軽減などの効果あるとされて、注目されている物質です。
しかし、これらの成分は、その構造は、たんぱく質ですから熱に大変弱いものです。
日本で販売されている牛乳は、高温殺菌されていますので、通常ではほとんど含まれていません。
(含めれていても、壊れています)
ですから、放牧牛乳といっても、よくパッケージを見てください。130℃2秒で殺菌されていれば
あまり通常の牛乳と変わらないかもしれません。
今、牛乳が売れなく酪農家も生産調整をしています。このまま消費が下がると、生産と需要のバランスが取れるまで、生産調整が続くかもしれません。
このあたりで、もう少し牛乳の見方を変えた戦略を考える機会だと思うのですがどうでしょうか?