牛のこころ、人知らず

日曜日, 11月 11, 2007

子牛へミルクを飲ませるのは誰?

子牛がミルクを飲むのは当たり前ですが、「いったい誰が飲ませるの?」と質問すると、酪農家は、「うちの奥さん」と答え、消費者は「もちろん母ちゃん牛でしょう」と答えるのではないでしょうか。
また和牛の子牛を生産している農家は、2通りで「母ちゃん牛」と答える人と「うちの奥さん」と答えるパターンがあります。最近では、「うちの奥さん」に代わって、「哺乳ロボット」という機械での飲ませるパターンも増えてきていますから、子牛にミルクを飲ませるのが、「母ちゃん牛」「人」「機械」ということになります。
こういうことを消費者の人達がどこまで知っているかは、わかりませんが、イメージが先行しているから多くの人が「母ちゃん牛」から直接飲んでいる思っているでしょうね。
どの方法がよいかは、それぞれ長所と短所があるので、一概に言えませんし、それぞれの経営の形態のよって異なるもで、それに合わせた方法が1番よいというのが結論です。

その中で最近少し気になることがあります。
それは、子牛を早期に母ちゃん牛から離して、ミルクを飲ませることが主流ですが、それがますます早くなってきて、和牛の世界でも生まれてから2-3日すれば母ちゃん牛から離すことをしています。
乳牛では、当たり前のことですがこのことを少し違った角度から考えみると「もったいない」ことになっています。
それは、いわゆる初乳を飲ませるのは、24時間以内であるのがよいとされて、最近ではできるだけ早く4時間以内とかが推奨されています。牛の場合には、初乳から免疫獲得する方法が主体なので、特に重要ですが、その初乳以降の乳には、多くの免疫物質が残っているのです。
これらは、初乳以後は腸管内での雑菌などを押さえる働きがあるのですが、もしそれを含まれる乳を子牛に飲ませないで置くのはもったいないと思いませんか?