牛のこころ、人知らず

水曜日, 1月 06, 2021

牧草で大事なことは糖分だ

 コロナによる緊急事態宣言が明日(7日)に発出することになったようです。

来週からの予定のキャンセルが来ており自宅待機で資料整理の日々ですな😖

北海道に行く予定も11月から延期になっており何時になるかなー

このような状況ですが心配していた枝肉価格は年明けには下がると思いましたが堅調に推移

しているようですのでよかったです。今後はよくわかりせんが、輸出が好調で推移して欲し

いものです。

ここ3年くらいは牧草(イタリアンやチモシー)について調製されたサイレージ・ロールサイ

レージを給与している牛のコンディション(代謝の状態)やグラスフィッドビーフを調べて

みると牧草についてのポイントは糖含量です。

アメリカでグラスフェッドビーフ(放牧草で肥育された牛肉)の研究している

UnderstandAGのAllen.R.Williaumus(PhD)は、牛を放牧している牧草の糖度(Brix)を測

って牛の超音波によるマーブリング(脂肪交雑)の調査から牧草に十分な糖度がないとマー

ブリングが高くならない傾向があるとしている。

これは牧草に含まれるタンパク質とカロリー(この場合は糖分)関連が重要であることで

す。すなわち糖分はカロリーですので牛が食べた場合にルーメン内で活動する微生物がいか

に効率よく分解できるかにかかっています。

ルーメン内ではタンパク質は微生物によってアンモニアまでに分解されます。このアンモニ

アを微生物が取り込みますが、取り込めないと胃壁より吸収されて血液中に入り体に悪影響

を与えます。アンモニアを微生物に取り込んでもらうためには微生物増殖因子であるカロリ

ーが必要となりるのですが牧草類ではデンプンがほとんどないのでカロリー源は糖分となり

ます。この糖分が十分に残っているかどうかが牛に給与するときにポイントです。

しかしこの糖分は、微生物にとっては大変なごちそうなので誰もが欲しがっているもので

す。そうすると牧草に糖分が十分にあってもサイレージにすると乳酸菌などの嫌気性菌に利

用されてしまいますので、牛が食べる時には糖分が少なくなっている状況です。

そしてサイレージ水分が多いほどタンパク質がルーメンで分解されるスピードが速くなる割

合が高くなるのでそれにマッチングするカロリーが必要となります。しかしカロリーを何に

するかと考えるとデンプンよりも糖分の方が早く利用されるのでもともと牧草がもっている

糖分を有効させるのが一番最適ですよね😁

このバランスを取ること(タンパク質とカロリーの)が上手くいったのがイタリアンロール

を低水分で調製したものでした。(結果論オーライでしたが)

想定したよりも上手くいって繁殖母牛では肥ってしまうようになっています。

このことから乳牛でも牧草の利用性を上手く利用したサイレージ調製のポイントは水分調整

であると思いませんかな?

グラスサイレージは水分を70%以下にして、2次発酵させないように鎮圧を十分にして、糖

分をできるだけ残しておくとでしょう。

ロールサイレージは、水分を40%以下にして発酵させないように調製することで、水分を下

げるためには早刈りしないで最低でも出穂期以降の刈り取りとして、天気予報を注視して、

最後は直観で刈り取りすることでしょうか😙