牛のこころ、人知らず

水曜日, 12月 31, 2008

今年は、いろいろとありました

毎年のことですが、暮れになると1年を振り返ることをするのですが、特に2008年は大きく変化した年だったと後から振り返ると思うかもしれません。
穀物相場の高騰、原油の高騰で農業全体が厳しくなったのですが、それに加えて9月に起きたリーマンショックで、3ヶ月間での急速な経済の悪化が、影響してきています。
その1つが、牛肉の価格は12月には相場が上がるのですが、今年はほとんど上がらないで逆に格付け2,3クラスの枝肉が下がりました。
この原因は、家計経済状況が悪化したことと先行き不安があり消費が低迷していることに加えて、円高の進行で輸入牛肉が価格が下がったために急速に輸入肉需要が高まったことも影響しています。
また、牛乳も売れなくて、2009年3月より牛乳価格が10円上がりますが、早ければ2009年の後半には生産調整をせざる得ない状況になる可能性が高まっています。
その一方では、高騰していた穀物相場が、急速に下がり、配合飼料価格も1月からトン当たり1万円前後下がることになります。
しかし、結局消費が伸びないのであれば、生産は抑えることになりますし、日本全体が消費が今後増えることは考えにくいので低迷することになります。
そのために、食品関連企業のM&Aなどが活発になると思います。
畜産では、牛肉・牛乳とも2009年も厳しい状況が続くでしょうが、このようなときにこそただ守りではなく「攻め」が必要でしょう!
「攻め」と言っても経営を拡大することだけではなく、より「知恵」を出すことが、農家にも求められますが、企業にも役所にも必要になります。
しかし、「守り」をする人材は、多くいますが、「攻め」を考える人材はかなり少ないのが現状です。
企業においても、「守り」は簡単で経費節減やリストラすればよいのですが、アメリカのシリコンバレーでは、このような「冬の時代」は投資は厳しいが、逆にじっくり仕事が出来て次の「春」に向けた準備をするというきわめて前向きな思考になっています。
畜産を通じた新しい技術開発や概念(セオリー)について、2009年は取り組もうと考えています。
今まで農家の現場といろいろな情報から考えている事業をいろいろな企業と立ち上げることにしています。
年明けからは、北海道での環境対策に取り組む計画がありますし、新しい乳牛・肉牛用の配合飼料の設計して現地での試験や昨年から取り組んでいる「オレインリッチビーフ」の論文の発表をしたり、2009年中に計画している「抗体ミルク」製造や、ルーメン微生物活性化させる「植物ステロール」のほかに抽出濃縮エキスの取組みなど目白押しです。
このような時代になり組織の枠などあまり意味がなくなったと思います。
結局、農業や農家のことから消費者に至る「道」に目を向けていける企業・個人が生き残れることになるでしょうね!