牛のこころ、人知らず

月曜日, 2月 22, 2010

油から脂に変わる

今年の畜産学会は、明治大学の駿河台で3月27日から30日まで行われます。
最近は、ほとんど参加していますが、今年は共同で手掛けた研究を発表します。
と言っても、私は共同研究者としてですがー
この内容は、発表前なので、発表後に説明したい思います。

今日も、東北地方を巡回しているのですが、太っている乳牛が「非常に水っぽい牛」が多いのが目に付きました。(眼で見たのではなく、実際に触ってみてですが)
特に、肋骨部分を触診してみるとわかるのですが、皮膚と骨との間にまるでスポンジでもあるような感触になっています。
これは、脂肪なのですが非常に水っぽい脂肪で「ブヨブヨ」した状態ですが、牛の脂肪は通常こ固体でラードになっていますが、このような脂肪はラードが溶けているようなものになっています。
特に牛の場合には、内臓から脂肪から皮下に脂肪がついてくるのですが、皮下脂肪が水っぽいと内臓脂肪もほとんど場合水っぽいものになっています。
これは、どうしてでしょうか?

現在牛用飼料原料では、原則動物質の原料は使えません。
牛が食べているものは、すべて植物性(1部鉱物質もありますが)ですので、それに含まれる油脂分はすべて植物性のものです。
植物性の油脂は、ほとんどが液状で、いわゆる「油」です。
その「油」が牛が食べて体に付くと「脂」に変わっているのです。
ですから、「油から脂」に変化しているのです。
この仕組みについては、次回に