牛のこころ、人知らず

土曜日, 4月 03, 2010

筋肉と脂肪

筋肉は、タンパク質から出来ています。
すなわち原料は、タンパク質になります。
タンパク質は、アミノ酸からで出来ていますから、筋肉を作るためにはアミノ酸が必要です。
これは、人も牛も同じことです。
但し、牛はルーメンというところを通して消化吸収されまうのでタンパク質の作られ方が違います。
牛は、食べたタンパク質はルーメンで分解されてアンモニアになる分解性タンパク質とルーメンの分解を受けないバイパスタンパク質を利用する仕組みになっています。
ルーメンで分解されたアンモニアは、正常であればルーメン内の微生物に食べられて取り込まれて菌体タンパク質となります。
この菌体のタンパク質がルーメンより下部消化管(第4胃以下の部分)でタンパク分解酵素により分解されてアミノ酸になり吸収されいきます。
しかし、アンモニアが菌体タンパク質にならないとルーメンより吸収されてしまい血液中に入てしまいます。そうなるとアンモニアは、毒性が強いものですから体に悪い影響が出てしまいます。
その典型が、体のpHがアルカリ化になることです。
アルカリ化になると、牛にはいろいろな悪い影響が出てしまします。
問題は、アルカリだけでなく、タンパク質とバランスを取るべく給与されているデンプンが筋肉なる方向でなく脂肪になってしまうことが分かってきています。
すなわち、本来筋肉なるべきものが脂肪になりやすくなることになります。
これらのことと、前回のルーメン内での脂肪が水素添加されて飽和化されなければ、不飽和脂肪酸割合が高い脂肪が牛に蓄積されるということになります。

実は、現場ではこのことが当たり前に起こっています。
コンサル先である農家で、ルーメンで出来るアンモニアを少なくして(低タンパク質)デンプンを高めた結果、牛がすこぶる健康になりボディコンディションのバラツキがほとんどなくなり、乳量、乳成分、繁殖が順調に推移しています。

また和牛繁殖農家でも、分娩前の増飼い(配合飼料の増量)を行っても牛が過肥になることがなくなりました。
以前は過肥になりやすくて困っていたのですが、今は繁殖成績もすこぶる順調です。

ルーメン内でのアンモニアを必要以上に作らせないことが大きなポイントではないでしょうかね!
現場からの実績からですがね