牛のこころ、人知らず

日曜日, 6月 12, 2011

粗飼料不足は深刻?

先日、福島のクライアントに行って来ました。
春収穫の牧草は作っていなくて、飼料用トウモロコシを毎年10ha作っているのですが
今年は放射能の影響でどうなるかわからないがとりあえず作付したとのことでした。
実際どうなるかはわかりませんが、飼料イネのホールクロップも給与しているのでこれらの収穫物が
使えないとすべて購入しなくてはいけないので非常に厳しい経営になってしまいます。

同様な状況は、栃木、茨城などで同じですが、トウモロコシやソルガム、スーダンなどの夏作の収穫ができないと30~50%くらいの酪農家が経営できなくなる可能性があり畜産業界全体の問題になります。
これらの地域では、イタリアンなどが収穫しても給与できないので、その補償として粗飼料の提供
(おそらく現物ではなく助成金のようなものかもしれませんが)を受けれるとことですが、輸入乾牧草
の事情は、大変厳しくアメリカ産のアルファルファはアラブ地域での牛を増頭している影響で5円程度の値上がりになってきています。
その上にこの放射能問題ですし、昨年の猛暑の影響で分娩間隔が長くなり、北海道の初妊牛の価格高騰により実際に搾乳頭数が減少しています。

このままでは、輸入乾牧草や購入飼料に大きく依存している経営ではやって行けなくなると思います。

これに関連しますが、今年からトウモロコシの栽培を増やすための検討を始めました。
これは、都府県では、水田転作にはなかなかトウモロコシを作付が難しいのですが、その理由としては湿害を受けてしまうのが大きな原因ですが、その要因の1つにプラウで耕起することで作土層を深くして水位を高くしていることも原因です。
そこで、水田転作では、ロータリー耕かパワーハロー耕だけにして播種すれば深耕しないので湿害を軽減できると考えています。
また、常識ではトウモロコシ専用の播種機も必要であると思いがちですが、ブロキャスでの播種も可能です。
実は、この方式で10年以上続けている現場がありました。(水田ではないのですが)
播種は、ばら撒きでも収穫はトウモロコシのハーベースターが使えるそうです。

もしかしたら、あまり機械を装備しないでもトウモロコシ栽培が出来るかもしれません。