牛のこころ、人知らず

金曜日, 6月 08, 2012

ルーメン調査をしたら

最近乳牛のルーメンジュースを採取して調べています。
1つはこの時期になると乳脂肪が低下して3.5%以下なるとペナルティが発生してしまうために収入が少なくなります。
この原因は、いろいろあるのですがルーメンの状況を把握すると見えてきます。
今回は、粗飼料不足が原因であるのですが、農家は少なく給与しているという感覚がなくて「冬場は高く、夏場は低くなるのはどうしてかな?」と言われます。
結果は、ルーメンPHは、5.9~6.2程度であったのですが、ルーメンジュースを採取するとわかるのですが、粘り気があるかないかで判断できます。
これは、粘り気があればルーメンに唾液の流入量が多くあることで、逆に粘り気がなくルーメンジュースをルミラー(ルーメンジュースを採取する専用のチューブ)
で吸い上げるときにサラサラしたものは、唾液の流入が少ないものです。
これに連動してルーメンでのプロトゾアに変化が現れます。
それは、大型のプロトゾアが少なくなります。これは、ルーメン環境に合わせて大型種ほど影響を受けてしまい増殖できなくなってしまいます。
ルーメンジュースを取って染色液で染色したものを顕微鏡下で観察するとよくわかります。
ルーメン内のアンモニア態窒素やVFAはまだ分析していませんが今回の調査では、粗飼料が不足した結果でした。
そこで、より粗めの繊維を給与するためのアドバイスを行いました。但し、暑くなっているので粗めの繊維は食べなくなるので少しごまかしてでも食べるようにルーメン微生物活性のある原料を加えて様子を見ることにしました。