牛のこころ、人知らず

月曜日, 12月 03, 2012

牛の水虫?

乳牛でPDDと呼ばれる感染症が増えています。
これは、乳頭状趾皮膚炎(Papillomatous Digital Dermatitis)で日本語では「ヒゲイボ」と言います。
これは、牛の爪の股にいぼ状になり牛が痛がりこれを歩きづらくなり乳量が下がってしまいます。
原因は、スピロヘーター様細菌による感染ですがこれは、フリーストール牛舎で細菌がまき散らされて増えていきます。
これといった治療法がなくて対処療法(抗生物質も使っていますが)のようです。
硫酸銅による蹄浴でも効果がありますが、蹄浴は寒冷地では凍結して使えなくなる欠点もあります。
このPDDは、フリーストールの敷料がなくてスラリー方式の牛舎で多いので「牛の水虫」対策と位置つけています。
結局、牛舎の通路をいかに乾燥させるかですが、これが難しいのです。
牛舎での飼養頭数を少なくすればよいのですが、現実的にはできません。
そこで水虫対策として考える必要があると思います。
水虫対策として、木酢液(酸性)と石灰(アルカリ性)を使った試験を検討しています。
木酢液は、人の水虫に使っての効果が認められていますが、今回は木ではなく竹を使う計画です。
これらの木酢液と竹酢液の違いは、木酢液は炭を作るときに発生する煙を回収したものですが、実は木材の種類によって木酢液中の成分が変動します。竹酢液は、竹の原料はほとんどが孟宗竹なので成分が変動しません。
また、あるメーカーが試作した蒸気を使った炭製造と酢液回収を兼ね備えた装置を使って竹酢液を回収しています。
これのpHを調べると3.0まで下がっていました。これから竹酢液回収時に一緒に油液(タール)も取れます。
これらを使ってPDDに対策ができないかと計画しています。
竹酢液は、蹄浴槽で竹酢油(タール)は患部に塗布する予定です。
結果をお楽しみに???