牛のこころ、人知らず

土曜日, 3月 02, 2013

続:牛の水虫

前回の牛水虫対策として酸化カルシウムを乳牛のフリーストール牛舎のミルキングパーラーからのリターン通路で踏み込ませて効果があるかどうか確認しましょうと計画したのですが、農家では酸化カルシウムを牛床に撒いてしまい、何もできませんでした。
依頼した農家もよくわかっていなかったし、要望のあったメーカーの担当者もよくわからないやつだったことが判明した。
酸化カルシウムを作っている装置は、今解体されているのでしばらく作れませんので、一言言いたい  「ばかやろうども」
製造メーカーからも「どうなりましたか?」、大学の研究室からも「様子はどうでしょうか?」、知り合いの獣医さんからも「効果ありましたか?」と問い合わせが来て   実は??????
製造装置の組み立てができれば、再度試験を行うつもりです。
このようなことは、よくあることで最近特に顕著な気がします。
農家もPDDに困っていると言いながら多くが対策を行っていなくて、とことん悪くなると「どうしたらよいかな?」と問い合わせが来ます。
PDDだけに限らずに、乳量や繁殖、疾病など問題が起きると考えてみるといったことは畜産だけでなく農業に関して多いと思います。
しかし、どうも農業だけでなく企業などにも多くなっているようです。
そんな農家や企業が多いとコンサルの仕事は多くなるばかりです。

ところで、酸化カルシウムは強アルカリ性なために、コンクリートなどを溶解させてしまうのでそれだけではバランスが悪いといことになります。
そこで、強酸性の材料として、竹酢液、木酢液をPDD対策の1つに加えるつもりです。
木酢液は、すでに人間の水虫に使われていることもあり期待の材料です。
しかし、木酢液、竹酢液は何でも良いとは言えないので、抗菌性の試験を行います。
抗菌性も目的は、PDDもありますが、もう1つとしてクロストリジウムに効くのでないかと推測しています。これは、サイレージの酪酸発酵したものを牛に食べさせることが出来ないかということです。
クロストリジウムは、嫌気性菌なので体内でも生存して毒素を出すために牛が摂取後に問題が発生します。
しかし、現場ではものすごく調子が悪くなるのではなく、「なんとなく調子が悪い」という状況になりやすいようです。それは、乳量が思ったよりも伸びない(前の乳期より10‐20%低い)とか繁殖で発情が来ても種付けをしても受精しないとか、乳房炎ではないが体細胞が高いとか何か気になるけどものすごくひどいわけでもないという状況に遭遇することがあります。
そのような場合に、クロストリジウムの影響を受けているかもしれません。

どちらにしてもまずはラボレベルでの試験をしてからですね!