牛のこころ、人知らず

土曜日, 7月 26, 2014

アルファルファ作りとは

先日、岩手県の酪農家で今年の1番草の出来について話をしました。
この酪農家は草地面積が少ないのに頭数が多く自家産の乾牧草はぎりぎりでその代わりにトウモロコシサイレージは豊富にあるといった状況です。
給与状況は、トウモロコシサイレージは30kg/日程度給与できるが長い繊維であるロールサイレージは、1番~3番草を合わせてやっています。乾牧草を購入しないので毎年収穫した分だけでまかなっている状況です。このような状況なのに栄養価の高い牧草を収穫したいということで1番草を早刈りをしていました。今年は天候が悪く刈り遅れたために十分な量を確保できたそうです。今年の春は少雨で牧草の伸びが悪く早刈りしたら収量が少なくなっています。
そこで酪農家との話ですが草の量(繊維量)を十分確保することが重要なことから今年はよかったのではなく毎年遅刈りして収量を確保することに切り替えるべきであると説明しました。
そこで栄養価の確保になったのですが、アルファルファをオーチャードと混播しているそうですがオーチャードが消えてアルファルファだけになりイネ科を追播したいと言っていました。
アルファルファを作った理由も栄養価が高いことだそうです。
どうも栄養価が高いものを与えないと乳量が出ないと思っているようです。
そこでトウモロコシサイレージを見るとクラッシャーをかけて収穫したそうです。
牛舎の牛のコンディションを見るとかなり低下しており夏を越えるのが大変そうです。
実際、軟便が多く白黒の斑紋もぼやけた状態です。この酪農家はロールサイレージが不足してのをトウモロコシサイレージで補っておりトウモロコシサイレージのわず1.0~1.2cm程度の長さの繊維分が影響していたことを裏付けた結果となっています。
とこでアルファルファの草地ですが追播はイネ科ではなくアルファルファをするように勧めました。
その理由としては、アルファルファの刈り取り時期にマッチするイネ科はありません。どうしてもイネ科の刈り取り時期に合わせてしまうとアルファルファは刈り遅れです。
中途半端なものを収穫するよりアルファルファのみの単播がよいと考えています。
九州で栽培すると暖地であることもありますが4月以降は月に1度程度の刈り取りができます。
教科書によれば刈り取り適期は着蕾期がよいとされていますが実際にはその時期に刈ると倒伏が起きてしまい株が枯れてしまう個体が増えて雑草混入が起きます。おそらく現場ではなく机上の理論だけだと思います。
また北海道でアルファルファの混播した草地があるとの記事がありますが、1つ疑問があります。
その酪農家はアルファルファの草地を作ることが目的になっているのかな?
アルファルファを作ってから乳量が増えた、繁殖が良くなった、利益が増えたということはありません。
どうしてでしょうか? ちょっと不思議なことですね!