牛のこころ、人知らず

水曜日, 2月 24, 2016

酪農コンサル4

コンサル先より一時糞が硬くなったから安心しているとまた軟便になったと連絡がありました。
チモシー乾草のロットも変わらないのでTMR中の粗飼料のタンパクレベルが高くなったかTMR中の乾草の繊維分が下がっと思います。
特にアルファルファ乾草(ルーサン乾草)の影響が大きいと思います。アルファルファ乾草は葉っぱが多いとタンパク質が高く、茎が多いとタンパク質が低くなります。あるロットでは粗タンパク質量が5%の違いがありました。一定のタンパク質の幅でのものを確保できないところでは使用を中止したところもあります。その代替を加熱処理した大豆に置き換えたところ泌乳や繁殖が安定しました。
しかし、なぜかアルファルファ乾草に対する「信仰」がありアルファルファ乾草を食べさせていないとレベルの低い農家扱いをされるようなイメージさえあります。
あるコンサル先も自家産の初産分娩月齢が遅いところで早くさせるためにタンパク質を高めることが良いということでアルファルファ乾草と過熱大豆を給与し始めたのですが、結果軟便となりかえって肋張りなく腹の巻いたような育成になりました。結局ただタンパク質を高めるのではなくでんぷん質(カロリー)とのバランスが必要となります。

結局、軟便をさせないことが重要なので、TMR飼料の給与をもう少し減らしてチモシー乾草を最低1kg増やすことにしました。
牛が食べる量は、牛自身しかわかりません。人がこれくらいがちょうど良いと考えても牛が結果を出します。牛のボディコンディションを見ることができないと間違った判断をしてしまい、最終的に牛を「駄目」にすることになります。今は、この「牛を見ることができない」ために飼料計算データに頼るしかない人が多いのも事実です。
都府県では、北海道から乳牛の初任牛の価格が80万円となり導入もままならい状況になっています。これまでは後1産とるようにしましょうといっていましたがこれからは、「最低後2産」を目標にする必要があります。