牛のこころ、人知らず

木曜日, 7月 24, 2008

牛の喜びは虫の喜びか?ーパート2

牧草を収穫する時には、牧草を刈り倒していきます。
その時には、モアコンなどの草刈機で行いますが、この草刈機が最近は、刈り倒した後に草をローラーなどで潰すようにして、より乾燥しやすいようになっています。
昔は、バリカン式のものでしたで(今でも使っている方はいますが)多くがモアコンになっています。
確かに乾燥しやくなっていますが、草に含まれる脂肪量が生草と乾草との違いになっている理由の1つであると思います。
また、刈り倒した後には、テッターという刈り倒した草を撹拌する機械によりより乾燥をさせる作業を行いますが、これも草を傷つける可能性が高いので、草刈りと合わせて草に含まれる脂肪含量を低下させる要因と思います。

アルファルファ乾草は、アメリカで生産されて日本に輸入されているのですが、このアルファルファはマメ科の牧草ですが、乾燥させるときにテッターなどで撹拌させると葉っぱが落ちてしまいアルファルファの特徴であるたんぱく質が多く含まれるということになりません。
葉っぱにたんぱく質が多いので乾燥させることで葉っぱを落とさないようにすることが重要なことです。
そのために、アルファルファ生産農家はテッターをかけません。
この理由だけではありませんが、アルファルファ乾草は、牛の嗜好性は良いものです。
マメ科であるためにもともと嗜好性がよいのですが、脂肪含量も高く含まれます。
クズもヤマハギもマメ科ですから、イネ科と比べるともともと脂肪が高いものです。

この脂肪ですが、もう少し詳しく分析してみましょう!

月曜日, 7月 21, 2008

牛の喜びは虫の喜びか?

クズやヤマハギなどの野草に多く含まれているのは、脂肪分です。
この脂肪こそが牛がよく食べる大きな要因になっています。

この脂肪ですが、牧草などを飼料分析してみると、牧草が出穂する前に刈り取りをしたものは多く含まれていますし、開花や結実した時期のものは少なくなっています。
この分析値と牛の食べ具合いはほぼ同じ傾向です。
もちろんすべてではありませんが、早刈りと遅刈りでは農家さんも含めて多くの支持があると思います。

特にクズやヤマハギなどはマメ科に分類されますからイネ科よりも多く含まれるのでよく食べる傾向になります。
もう少し調べると、同じ時期の牧草を生草と乾草で脂肪量を比較すると乾物では乾草には生草の1/3しかありませんでした。
脂肪は、水にも溶けないのでどうして3割くらいに減ってしまったのでしょうか?

そこで思いだしたことは、イナワラを食べさせると「はざかけ」ワラは良く食べて、コンバインのワラは嗜好性が悪いという話を聞きます。
これは、調べていない推測ですが、コンバインを通したらモミを落として機械に中を通して外に出しますのでワラをかなり傷つけますが、「はざかけ」ワラは、刈り取った稲をそのままぶら下げて乾燥させてからモミすりをするだけですからコンバインなどと比べるとワラを傷つける割合は非常に少なくなっていますので、この差がイナワラに含まれる脂肪量に影響していると考えられます。

同じようなことは牧草でも起こっている可能性があります。