牛のこころ、人知らず

月曜日, 9月 14, 2009

アルカリ化には

前回の体内pHが高
aくなることで問題が起きて特に子宮内のpHが上がると受精卵が着床しづらくなることで繁殖管理に影響が出ることの原因として、ルーメンでのアンモニア生成量の過剰と利用性の低下であることでしたが
現場ではもう1つ問題点があります。
これは、肥育牛などでは体内pHが上がる(アルカリ化)ことで尿石(尿道結石)が起こってきます。
すなわち尿石になることでpHが上がることで起こる症状なので栄養のバランスが崩れている結果が現れます。
このことからこの対策として、タンパク質のバイパス率を高めることになりますが、もう1つ配合飼料のミネラルバランスを変えることが必要です。
これは通常常識では、カルシウムとリンの割合を2:1の取ることになっていますが、これを1:1レベルまで下げてしまいます。
ここまで下げると常識的にあり得ないのですが、現場では実に反応が現れて見事なくらい尿石がなくなります。
このことは、本当にカルシウムが必要なのかという問題を提起することになるのですが、酪農家の現場ではカルシウム剤を添加することは常識でほとんどの農家が行っています。
今までこれを意識していませんでしたが、体内pHを考えるとカルシウム給与について見直しが必要でないかと思います。
また面白いことにカルシウムの原料を鉱物質から有機物由来に変えると爪や蹄の状態がよくなるともわかってきており、例では炭酸カルシウムからカキ殻に変えて爪が硬くなっています。
肥育牛でも有機物由来の原料では、尿石も起こりにくくなってきます。

もう少し搾乳牛で尿pHの調査を行い、繁殖成績や疾病状況との相関を見なければなりませんね!!
ちょっと大変なので、相談してみます(自分では親しい?と思っている方に)

土曜日, 9月 12, 2009

繁殖と栄養

最近の技術として乳牛などでは、タンパク質のレベルを低くして無駄な給与をやめてもっと効率化をすることで窒素の排泄量を減らし環境にも負荷も軽減する方向になっています。
実は、現在コンサルしている酪農家でこの技術を応用したことを行っています。
牛のルーメン内では、分解性されるタンパク質の割合が多くなるとアンモニアの発生量が多くなります。
このアンモニアは、ある程度は必要ですがあまり過剰になるとルーメン壁から吸収されてしまい、無駄になり、またこのアンモニアの血中濃度が高くなるとアンモニア中毒になり死に至ります。
そこで体内では、解毒を行ってそのようにならないような仕組みがあるのですが、現状の乳牛(搾乳牛)では非常にアンモニアレベルが高く維持されていると考えています。
特にこのアンモニアが高いと体内のpHが高めになりいろいろな障害の要因の1つと思われます。
障害の代表としては、繁殖障害があります。
これは、子宮内のpHが高くなると受精卵が着床しにくくなることが知られています。
このような状況ですが、コンサル先の農家では、ルーメン内でのアンモニアを効率よく利用するためにタンパクレベルを下げることと同時にアンモニア利用する微生物の活性化に必要なでんぷん割合を高めた給与設計を行った結果、繁殖の改善効果が著しく現れました。
しかし、今までの概念ではタンパク質のレベルを下げると乳量が出ないという概念(思い込み?)があり
思い切ったことはしていませんでしたが、この現場の結果から従来よりも低タンパク質でも乳牛の飼養管理が可能であるということがわかりました。
この農家は、乳量が32kg平均レベルですが、種付け回数が大きく減ったことの経営メリットが大きくなっています。
このことから、乳牛で30kgレベルであればそんなに無理をしないで安定的な給与技術は作れますし、より高いレベルであれば、ルーメンバイパスタンパク質の利用とアミノ酸のリジンとメチオニンの割合を3:1以下に設計するような工夫が必要になります。
このようなことから、粗飼料の種類にもよりますが、配合飼料の内容については簡単にできるでしょうね。
あまりつき進めると仕事がなくなるので困りますがねぇー?????