牛のこころ、人知らず

火曜日, 12月 28, 2010

遠赤外線効果

乾燥機については、いかに装置内の水分を効率よく処理できるかがポイントです。
しかし、より熱効率を高めていくためには、遠赤外線を利用すると効果があります。
これは、遠赤外線では乾燥させるものの内部にも温度がいくのでいわゆる芯まで熱が通り表面だけでなく全体に熱が浸透することになります。
そのために乾燥させるには効率が良いということです。
これらの遠赤外線を作り出すには、セラミックを使えばうまくいきます。
簡単な試験では、乾燥機の内部にセラミックの板を貼ればOKです。

推測ですが、遠赤外線効果があれば乾燥温度を低温(60℃以下)でも十分に乾燥させることができるのでコストも抑えることができると考えています。
これは、ある木材の乾燥機を見に行った時にその装置では45℃で木材を乾燥させており、特に乾燥しずらいとされている杉材に用いて実績があるそうでした。
この装置を見てから、今まで考えていたことが整理できて今回試験に取り組むことができました。

遠赤外線利用については、すでに様々な結果があり最近では、土壌に炭を入れることで土壌中に遠赤外線効果で土壌温度を高めたり(わずかにですが)、高まる効果で土壌微生物の活性化を促し、特に堆肥と炭を混合して施用すると作物の生育促進効果があることもわかってきています。
ただし、炭についてはもともとアルカリで多孔質構造なために微生物のすみかになりやすいことの影響もありますので、堆肥との混合施用効果はいろいろな要因が含まれているかもしれません。
また、飼料用原料では脱脂大豆粕を熱処理することでルーメンバイパスするタンパク質の割合を高める商品がありますが、その中で特にバイパス率が高くて結合タンパク質(熱により焦げ付いたタンパク質で利用できない)が低いものがあります。
この商品を調べると焦げ付きがほとんどなくしかも大豆粕全体に熱がかかったもので、実際に牛に給与すると見事に効果があります。
そこで製造している工場に行き話を聞いて製造過程を見せてもらうと見事に加熱過程で遠赤外線処理されていました。
この商品は、遠赤外線効果によりもともとある水分よりも3-5%程度水分含量が低下しています。
これらのことから遠赤外線処理を農業にも応用できることになり、その技術を乾燥システムに取り入れる試験を始めます。

土曜日, 12月 25, 2010

久しぶりに

しばらく忙しくて余裕がありませんでした。
正直には”ネタ”切れ状態です。

そうは言っても従来からの取り組みは行っており、イナワラの加工試験は10月に行いました。
結果は、関係者には報告していますが何せロットの小さな試験でしたからもう少し大きくして加工試験を行う必要があります。
しかし、結果は上々でイナワラをかなりの割合で圧縮加工出来る事がわかりました。
イナワラを圧縮加工することで「ガサ」を減らして水分を蒸散させることができそうですから期待できるかもしれません。
これは、イナワラを使ったDRYな飼料を作ることを狙っています。
その理由の1つは、ただイナワラを圧縮梱包するだけでは単価は輸入されているイナワラと比較されて同じような価格になります。(国産志向が高まっているが経済原則ではそうなると思う)
そこで、もう少し付加価値をつけて商品にできないかとしているのです。
それは、地域での副産物を飼料原料としてイナワラとMIXさせたものができないかと考えています。
そのために昨日も、副産物を乾燥させるための試験の打ち合わせに大学(正式には大学校)に行きました。
乾燥については、過去いろいろと試験をしたりした経験から学んだことがあります。
このことを確信に変えたのが、東京で木材の乾燥装置を開発した方にお会いしてからです。
それは、杉材を低温で乾燥させる装置ですが、木材を低温で短時間に乾燥できるものでした。
そのポイントは、乾燥機の内部の水分管理でした。
すなわち乾燥機内の水分をどのように処理するかが大きなキーポイントでした。
これは、乾燥機内での水分をいかに内部の温度を下げないようにして取り除くかということです。
水分が多くなると乾燥効率が下がります。これは、装置内の湿度が高くなり材料からの水分が抜けにくくなり、その水分を外部に出すとどうしても装置内の温度が下がります。
これらの原因で乾燥効率が下がってしまうのです。

乾燥試験では、この問題を解決する手段を用いて高水分な原料(リンゴジュース粕やニンジンジュース粕など)を乾燥させようとするものです。
来年の2月から始める予定です。

これがうまくいくとイナワラと合わせて本格的に取り組むことになりますが、あくまでもうまくいってのことですから…………