牛のこころ、人知らず

土曜日, 5月 26, 2012

現場でのコンサル

昨日は、東京と埼玉の酪農家2戸のコンサルをしました。
どちらも最近乳脂肪が低下してきたで依頼がありました。
どちらの乳牛も後足の膝関節が腫れていて、蹄の踵を痛がっており典型的なアシドーシスの症状が出ていました。
どちらの農家も粗飼料(繊維分)が不足していて、濃厚飼料(配合飼料)と粗飼料(乾草と青刈り)の割合が崩れおり、それが原因でした。
よく話を聞くとこのような給与をずーっとやっており毎年夏場には乳脂肪が低下して困っていたとのことです。
冬場には、脂肪が高いが夏場には低下する典型的なアシドーシスのパターンです。
コンサルとしてのアドバイスは、食品副産物を使った発酵させた飼料の粗飼料源が麦わらで化学分析では十分な繊維量があるとしていますが、牛をよく見るとルーメンでの滞留時間が不足しているコンディションを見せていました。
そこで、粗飼料源をよりリグニン(木質分)の多い原料に切り替えることとして、配合飼料の給与量を下げること(これはいきなり減らすと乳量も減るので1頭当たり0.5kg/日下げて乳量が下がらなければまた0.5kg/日下げるように)としました。
そこで、発酵飼料の粗飼料源を麦わらからスーダングラス乾草に切り替えることをお願いしました。
但し、発酵飼料を製造しているメーカーに依頼が必要ですのですぐは無理のようです。
どうもこのメーカーはよくわかっていないようです。

日曜日, 5月 13, 2012

糞尿処理と排水処理技術

前回の糞尿処理する装置から新しい技術というか方法を検討しています。
これは、液状糞尿と牛舎からの排水を処理することを目的として開発しています。
この技術は、すでに土木工事や建設現場で使われているものです。
土木工事などの現場では、河川の周辺などで掘削すると地下水が出来てきますが、昔はこれらの排水をそのまま放流(垂れ流し)していたのですが、今はこれらの汚水を処理して流すことが必要です。
しかし、工事現場で本格的な排水処理はできないので汚水を別な場所に運んで処理することになりますが、コスト面からも難しい状況です。
そこで、考えられたのは汚水に凝集固化剤を使って処理する方法です。
これは、汚水の貯留槽に凝集固化剤を投入して撹拌(しない場合もあり)することで汚水中の有機物などを汚泥状や固形状にして汚水を水と分離させます。
これで水は放流できるようになり、固形物(汚泥状)は取り出し(バキュームで吸い出す)て処理することができるようなりました。
ほんどの現場では行われている方法です。
今回は、これを畜産排水と糞尿処理に応用できないかとメーカと検討しています。
畜産排水も最近は規制の対象とされてきており牛舎建設でパーラー排水なども処理を求められるケースがあります。
また、尿やスラリー固液分離液などに凝集固化剤を使い処理できるかでどうかの試験を行います。
ここで出た汚泥(固形物)などは、衝撃波による装置により簡単に処理できます。
これらの技術は、活性汚泥法による汚泥処理にも使えますが、これまで多額の経費をかけて汚水(排水)処理していた方法自体を変えるかもしれません。