牛のこころ、人知らず

日曜日, 11月 19, 2006

堆肥をどうしよう?-2

堆肥つくりについては、技術的には単純なことだと思っています。
しかし、単純なほど難しいことが多いのが世の中ではないかと思わせることが堆肥つくりではないでしょうか?
牛飼い現場で、家畜糞尿規正法が施行されてから多くの人たちが感じたのではないかと思います。
堆肥つくりの1番のポイントは、とにかく水分調整になります。
この水分調整をして、水分を最低でも70%以下にすることが、堆肥つくりの「鍵」なのです。
ところが、牛の場合は、もともと80%越える水分のものが多いために、水分をいかに下げるかが大変難しいことになります。
単純に考えると、水分を吸着させるものいわゆる「水分調整剤」を混ぜればよいのですが、「水分調整剤」は別に購入しなければなりません。すなわち、水分を調整するために、お金(コスト)をかけなければならないのです。
水分調整剤は、一般的に、「おが屑」「木のチップ」「もみ殻」「バーク(木の皮)」などですが、それぞれに長所・短所があります。
そして、農家には堆肥の製造する機械装置を補助金などを利用して購入してる方もいますが、その機械装置は、機械装置に投入する際のポイントは、水分を70%以下にしてから投入するものがほとんどです。結局、機械装置でも水分調整剤を使わないといけないので、機械装置のコストに水分調整剤のコストをプラスしないといけません。(すべての機械装置ではないですが)
このように作られた堆肥は、コストの掛かった堆肥になってしまい、なかなか売れない、売れても赤字になるということになっている事例も多いのです。
どれでも、水分を70%以下にすれば微生物の活動が活発になり発酵が進みやすくなります。この発酵が進むことで、堆肥の温度が上がり、水分が蒸散していくのが、堆肥発酵の基本パターンです。
これには、一定の期間に堆肥の切り替えしをして、より堆肥全体を空気に触れるようにしてやることで、この発酵を進める(好気性発酵という空気を利用した発酵)ことになります。
多くの機械装置は、この切り替えしを行なっているものが多いのですから、これを機械装置でやるか手でやるか(いまどき手ではなくショベルカーやトラクターなどでやりますが)の違いになります。
これは、発酵させた堆肥の作り方の基本です。

堆肥については、奥深いので、次回に続けます。