牛のこころ、人知らず

水曜日, 5月 28, 2008

牛の喜びを

楽しい話題の続きですかな?
牛の喜びは、牛舎などの現場に行くと人なつっこい牛が多いところがあります。
このような牧場は、牛の調子がよいと表現でき、生産性も安定しているところが
多いようです。
このような牧場の特徴をあげると、牛がたくさんエサを食べているということです。
牛は生理的に満腹度が高いほど、落ち着いていて安心しているように見えます。
そのような場合には、人なつっこさが出てきてきますから、最近牛へのストレスは
満腹感がなければ起こっているような感じがしています。
しかし、一方技術的には牛に対して食べる量を計算することが出来るので多くの
農家は、計算をベースにエサを給与することが多いのも事実ですが、その計算
の元になる「食べる量」はいろいろな研究からデーターを分析した結果から導き
出しているのですが、なかなか現場では上手くいっていないケースも多いのです。

では、何故上手くいかないのかと考えると、牛も人と同じで個体差がありますし
計算値は極論を言えば、人が作った数値ですから牛にに聞いた訳でもないので
ズレがあるのは当然です.
また牛が食べているといえば食べているのですが、牛の第1胃(ルーメン)には
たくさんの微生物がいますので、牛が食べているのではなく微生物が食べさせ
ているのかもしれません。
この微生物の食欲増進をさせることが牛がたくさん食べることに結びついています。
その増進させるものが、クズやヤマハギなどには多く含まれているのです。

金曜日, 5月 16, 2008

続・楽しい話を

牛が食べる食べないを調べていくとよくわかるのが、牧草です。
北海道での経験からですが、青草(生草・放牧草)と乾草ではどちらが食べるかと言えば青草です。
同じ草地のものを、乾草にしたものと青刈りして食べさせても青刈りの方を喜んで食べます。

このことをよく調べてみると、1番の違いが含まれている脂肪含量です。
青草と乾草では、脂肪含量が4:1の割合になっています。
すなわち青草では乾草の4倍脂肪が多いと言うことです。
これらを実感するのが、北海道各地から乾草を購入して牛に給与してみると地域による嗜好性の
差が明らかにあります。それの脂肪含量をみると良く食べるものとそうでないものとの違いは約2倍
程になります。
どうも脂肪が牛の嗜好性(食べる食べない)に影響している可能性が高くなりました。

もう少し調べると、イネ科牧草とマメ科牧草では、マメ科牧草の方が脂肪含量が高くイネ科牧草が
低いので一般的には、マメ科牧草を好んで食べる傾向があります。
このことでは、最近の耕作放棄地などで、放牧をさせると、これらの耕作放棄地では、クズが繁茂
しており、放牧して大丈夫かと思いますが、牛はクズをムシャムシャと食べてあっという間に食べつくしてしまいます。
また、中国地方の古老の農家に聞くと、夏場に食欲不振になるとヤマハギを刈ってきて牛に食べさせると食欲が回復すると言っていました。
クズについては、兵庫県の酪農家では、昔は春先から野菜クズなどを近隣野菜農家からもらって
牛に給与すると乳脂肪が下がってくるので、下がってきたらクズを軽トラック一杯に刈ってきて食べさせると乳脂肪低下が起こらなくなった。

どうもこのような事例(昔の技術ですが)にもヒントがありそうですね!
でも、ヤマハギやクズをもう少し有効利用できそうな話ですよね!!!

日曜日, 5月 11, 2008

楽しい話題を

楽しい話と言っても畜産情勢には明るい兆し見えませんし、鳥インフルエンザの危険率も高まり真っ暗状態と感じている関係者も多いと思います。
インフルエンザについては、今それを防げるかもしれない対策を検討しており、6月以降にメーカーとの
具体的な打合せをする予定です。(5月中は時間なくて)
この対策は、インフルエンザだけでなくいわゆる消毒をより効果的に行い、尚消臭を含めた環境対策になるものです。問題はコストと方法論になっていますので、完成すれば報告します。

今の対策案も個人的には楽しい話題ですが、牛についてはこの夏に向けて新しい取組みを行ないます。それは、ルーメンと呼ばれる牛の第1胃の機能を最大限発揮させる概念を取り入れたもので、基本的なものです。
それは、栄養管理が大事なことは生産性からもわかっていますが、その前提になる条件は、乾物摂取量が充分かどうかです。
実は、高い泌乳量(たくさん牛乳を搾っている)牛は非常にたくさん食べています。自分の体重の7-8%は平気で食べるのです。(乾物量で7-8%です)
また肥育牛でも試験を行なうと、食べたエサの約10%程度が枝肉重量(骨も含みますが)になりますからたくさん食べると肉も多くなるのです。(当たり前か)
そこで問題ことは、たくさん食べさせることが出来るかどうかが生産性を維持向上させることの原点になります。
そうすると食べるためには、どうしたらよいのかというと、ルーメン微生物の活動が活発であればあるほど分解能力が高まり、よりたくさん食べることが可能になります。
では、どうしたら微生物の活性化させるかというと、微生物のエサを充分に与えてやると良いと言うことになります。
じゃあーやりましょうとなりますが、それは何ですか?