牛のこころ、人知らず

日曜日, 2月 25, 2007

牛乳の文化論7

この話題が長くなりましたが、最後?ですが乳製品全般(もちろん牛乳も含めた)のことについては、今後個人的にも取り組んでいく課題ですので長くなりましたかな??
この牛乳中の機能性成分については、実はあることから興味が出てきて調べ始めたのがキッカケなのです。
それは、チーズについて調べていた時に、例えばヨーロッパなどでは古くからのチーズ製造するところがありますが、あるときにチーズの貯蔵庫などを見ると意外と細かな衛生管理がしていないと思ったことからです。
それは、チーズについては微生物発酵の関係でいろいろな菌が混ざらないように管理する必要があり、酪農家が始めたチーズでうまく行かないところがあったりして、どのような製造・管理が必要かと思ったのですが、意外とその辺の倉庫?のような感じだったのでびっくりしたことからです。
でもこのことを、調べるうちに牛乳中に含まれている成分が異なることがわかってきて、少し深く調べるうちに、機能性タンパク質が大きな役割をしていることがわかりました。
ラクトフェリンもその物質の1つですが、そのほかにラクトパーオキシダーゼという成分もあります。
これは、一言で言うと、牛乳が腐らないする成分で、冷蔵施設などがないなどの地域では限定的に牛乳保存のために利用されているものです。
いわゆる牛乳中に含まれる、このような成分がある程度あれば、チーズになっても腐りにくいというか雑菌に強くて管理しやすい原料であるということです。
このような、ことがわかってくれば技術屋としては、このような牛乳を作れば(搾れれば)より人の健康にも貢献できることになると思いませんか??  (エッヘン!!!)

日曜日, 2月 11, 2007

牛乳の文化論6

牛の飼い方(えさのやり方)で、牛乳の成分が変わることは知られていることです。
その多くは、脂肪分とか固形分などのもので、あまり免疫成分まで追求したものは、少ないのですが、
免疫成分では、免疫グロブリンが有名ですが、これも実は飼い方によって非常に成分がバラツクことがわかっています。
その例として、あるところにで、ET(受精卵移植)によりホルスタイン種の黒毛和牛を移植して生ませた牛が非常に下痢や風邪に弱くて困ったので、その親牛の初乳の比重を調べるとほとんどの牛が不足していたという結果になり、いかに初乳の成分が低いことがわかり、子牛に粉末初乳を与えることが必要であった事例があります。
これは、親牛の栄養状態や健康状態が悪くて、初乳が薄くなったのですが、その農家では決して栄養給与が不足していたわけではなく、非常にバランスの悪い状態が原因だと思います。
そこでは、配合飼料はたくさんやり、粗飼料(乾草やサイレージなどの繊維分)は不足した状態のために完全に牛の体内での栄養利用がうまく出来ないようになっていたのです。
これは、バランスのよい「えさのやり方」でないために、草食動物に与える「えさのやり方」ではなかったのです。
実は、このようなやり方をしている酪農家は多くあり、そこではいろいろな問題を抱えているところが多くて、私の仕事場にもなるのですが(苦笑)、そこでは、まず基本のやり方をしてくださいというのが、コンサルタントのスタートになります。
笑い話ではないのですが、ある地区では牛がやせていれば栄養が不足しているので、もっと配合飼料をやりなさいと指導している組織があって、最初話を聞いたときには「冗談だろう」と笑いましたが、実は指導内容で、農家では、問題が多くてなかなか儲からないようになっていました。
そこでは、まじめに牛乳を飲みたいと思いませんでした。
しかし、たまに委託した牛乳を飲まされましたが、悪いけどとんでもなくまずかった!!!
前置きが長くなりましたが、ラクトフェリンなどの成分は調査すると、放牧草を食べると通常の乳でも向上する傾向がありますから、放牧牛乳を低温殺菌されたものでは、成分として残っている可能性が高いのです。
しかし、すべての放牧草を食べるのが高いかといえば、そこでのバランスの良い栄養管理も必要ですし、なんせ牛が健康であることが大切です。
結局、どのように牛を飼っているかを知らないとわからないということですね!

土曜日, 2月 10, 2007

牛乳の文化論5

今、酪農家からの牛乳を集める仕組みを変えることは難しいでしょうから、どうしたら牛乳の素性(履歴)を伝えるかは、現状では個人で牛乳を製造販売するか、特別な牛乳である「有機牛乳」にしていくか方法がないかもしれません。
しかし、個人で製造販売も「新鮮」だけでは受け入れてくれないようですから、そこにはもっと特徴を出さなければなりませんよね!
そこで、その特徴が「キー」になるでしょう!!!
今の流行は、高齢者などに受けることが必要ですから、この「キー」は「健康」になります。
牛乳(乳製品も含めて)から健康になろうが、必要なのです。
ヨーグルトは、まさにその路線に合ったもので、スーパーなどに行くと多くの製品が並んでいます。
テレビからの影響から、今はなくなりましたが、「あるある大辞典」や「みのもんた」のお昼の番組などのあとには、商品がスーパーからなくなる現象さえ起きています。
牛乳では、逆に飲用しない方が、長生きできるということを述べた本が100万部も売れるのですから、かなり逆風状態になっています。
そこで、牛乳をよーく調べると、体によい成分が含まれています。
それらは、乳タンパク質の種類で、特に初乳(子牛を生んですぐの乳)や移行乳と呼ばれるお産後5日間程度の乳には、非常にたくさん含まれています。
特に、最近注目は、ラクトフェリンで薬屋さんの健康食品コーナーなどで見かけますが、肝臓の疾患などに有効性が認められたりして、腸内環境の改善など有効な作用も多く見つかっています。
しかし、ラクトフェリンは価格が高く(180粒入りで8000円程度)気軽に買うというものではありません。
本来わずかですが、通常の牛乳に含まれていますが、ほとんどの牛乳は、130℃での殺菌されているので、たんぱく質は壊れていますので、まったく効果はありません。
これらを含んでいる牛乳を毎日飲用するこで、摂取できるようにすれば、非常に簡単に高齢者も利用できると思いませんかね??
以前、これらの成分を調べたことがありますが、実は牛の飼い方(えさの種類)で増える傾向があることがわかっています。
ではこの話は次回にしましょう。

月曜日, 2月 05, 2007

牛乳の文化論4

牛乳は、美味しいですか?
との質問をしてどの程度の割合で、「おいしい」と答えるでしょうか?
実は、非常に単純なことですが、実際聞いたアンケートはないのでしょうか? 
私が知らないだけでかもしれませんが!!
おそらく半分以上が「おいしくない」と答えると思っています。(あくまでも私見です)
なぜでしょうか???
今、明治、森永で「おいしい牛乳」という商品がありますし、メグミルクでも同様な商品があります。
スーパーでは、一般の牛乳よりも高い価格で販売されています。実際飲んでみると、今までの牛乳とは違っているがわかります。
でもこれらの商品は、牛乳の鮮度保持(酸化しにくくなる製造法)の技術で保つことが出来るようにしたものです。これが良いか悪いかではなく、いろいろな商品が市場に投入されることは良いことだと思います。
今、私などが、酪農家に行ってもほとんど牛乳を出されることはありません。ましてや、搾りたてをどうぞとすすめられる事はありません。
自分の牛乳をお客さんなどに飲ませる自身がないのでしょうか??
それとも、一滴でもお金になりますので、もったいないのでしょうか??
実際酪農家が、消費に関して以外と無関心ではないかと思っています。
北海道と都府県との牛乳取引の違い(北海道では、内地と呼んでいますが)はありますが。以前よりもこの傾向は強くなったと感じています。
それは、畜産業界では、商品の差別化を図るかをいろんな取り組みをしています。
例としては、牛肉などは、耳標の番号で追跡ができるので、店頭で誰が生産者であるかが、携帯電話からわかりますし、豚などでは、いかに薬を使わないで、肉にするかに取り組んだり、生産履歴の開示をしたり、卵であれば、機能性の成分を含んだ特殊卵や有精卵などの販売などの取り組みが目に見えてわかります。
しかし、牛乳は、店頭で生産者がわかるように開示されたものは、ほんのわずかで生産履歴もわからないものばかりです。たしかに、流通や合乳されてしまうので、追跡が難しいこともありますが、なんせ小売価格が、安いのでコストをかけることが出来にくい環境であることもわかります。
どうしたらよいのでしょうか???