牛のこころ、人知らず

日曜日, 2月 11, 2007

牛乳の文化論6

牛の飼い方(えさのやり方)で、牛乳の成分が変わることは知られていることです。
その多くは、脂肪分とか固形分などのもので、あまり免疫成分まで追求したものは、少ないのですが、
免疫成分では、免疫グロブリンが有名ですが、これも実は飼い方によって非常に成分がバラツクことがわかっています。
その例として、あるところにで、ET(受精卵移植)によりホルスタイン種の黒毛和牛を移植して生ませた牛が非常に下痢や風邪に弱くて困ったので、その親牛の初乳の比重を調べるとほとんどの牛が不足していたという結果になり、いかに初乳の成分が低いことがわかり、子牛に粉末初乳を与えることが必要であった事例があります。
これは、親牛の栄養状態や健康状態が悪くて、初乳が薄くなったのですが、その農家では決して栄養給与が不足していたわけではなく、非常にバランスの悪い状態が原因だと思います。
そこでは、配合飼料はたくさんやり、粗飼料(乾草やサイレージなどの繊維分)は不足した状態のために完全に牛の体内での栄養利用がうまく出来ないようになっていたのです。
これは、バランスのよい「えさのやり方」でないために、草食動物に与える「えさのやり方」ではなかったのです。
実は、このようなやり方をしている酪農家は多くあり、そこではいろいろな問題を抱えているところが多くて、私の仕事場にもなるのですが(苦笑)、そこでは、まず基本のやり方をしてくださいというのが、コンサルタントのスタートになります。
笑い話ではないのですが、ある地区では牛がやせていれば栄養が不足しているので、もっと配合飼料をやりなさいと指導している組織があって、最初話を聞いたときには「冗談だろう」と笑いましたが、実は指導内容で、農家では、問題が多くてなかなか儲からないようになっていました。
そこでは、まじめに牛乳を飲みたいと思いませんでした。
しかし、たまに委託した牛乳を飲まされましたが、悪いけどとんでもなくまずかった!!!
前置きが長くなりましたが、ラクトフェリンなどの成分は調査すると、放牧草を食べると通常の乳でも向上する傾向がありますから、放牧牛乳を低温殺菌されたものでは、成分として残っている可能性が高いのです。
しかし、すべての放牧草を食べるのが高いかといえば、そこでのバランスの良い栄養管理も必要ですし、なんせ牛が健康であることが大切です。
結局、どのように牛を飼っているかを知らないとわからないということですね!