牛のこころ、人知らず

月曜日, 1月 08, 2007

牛乳が余って

今酪農では、生産調整をしています。
牛乳が売れないので、牛から出す乳を制限しています。今年度中(3月)までは地域により差はありますが、どちらかと言えば、牛乳の生産地帯が大きな影響を受けているようです。
影響というのは、この生産調整を予定入れないで、設備投資をした人たちは予定通りの生産は出来ないは牛乳の販売単価は下がるはと設備償還計画に影響が出てきています。
それとは別に経営が悪化している酪農家がいます。
これらの農家は、牛に食べさせる「えさ」のほとんどを購入していた人たちです。
どういうことかといえば、現在ほとんどの酪農経営では、
「配合飼料=輸入された穀類や粕類を工場で混合してペレットやフレークしたもの」
「自給粗飼料=自分の畑で作った草やとうもろこしなどのサイレージなど」
「輸入乾牧草=アメリカやオーストラリアなどから輸入された乾燥させた牧草類」
を給与しています。
昨年より、ポジティブリストの義務付けに伴い、輸入されている乾牧草類の日本での未登録の農薬規制が適用されたために、乾牧草類の価格が高騰しています。
そのために、購入依存型の経営をしている農家では、牛乳価格の下落と購入するえさの価格が上がったために、差し引きされる粗利益がなくなってきたのです。
それに追い討ちをかけるように、オーストラリアの旱魃の影響で、小麦価格が高騰したために世界的に穀物価格の上昇により、配合飼料価格も年明けの1月よりトン当たり5,000円前後のの値上げになっています。(配合飼料の場合は、基金が補填されますが、それは後からの戻りになるので支払い価格は上がります)
それに加えて、3月の年度末までの生産枠の問題(オーバーしないように)で地域によるとより一層の出荷制限になるところも予測されますので、年明けからの経営状況は悪化するのではないかと予想しています。
しかし、そもそも牛乳の販売が落ち込んでいるのは、ここ数年の傾向ですし、欧米などでは飲用乳の消費はすでに落ち込んでいて、チーズ以外の乳製品も落ち込みの傾向になっています。
日本も少子化で人口が減少してきているので、同様の傾向になりますし、一方牛乳に対する批判も目立ってきているのも影響していると考えています。
消費の拡大のためにいろいろCMなどもやったり販売促進したりしていますが、あまり効果があるとは思えません。どうも見ていると、米の消費拡大と同じようなこをやっていて結局なりゆきまかせになるのではないかと危惧しています。

どうしても発想が、垂直方向にしか向いていないようで、もう少し水平方向に向けると変わってくる面があると思うのですかどうでしょうか??