牛のこころ、人知らず

水曜日, 1月 24, 2007

牛乳の文化論2

文化とはと考えると難しい話になるので、牛乳に対する考え方ということになるのでしょうか?
あまり考えると、哲学的な思考に向かうのも、面白いことですが、とりあえず話を戻すと、日本もアメリカでも乳牛は、基本的にたくさんの乳を搾っていこうという考え方で、これは先進国のすべてあるというとそうでもないのです。
最近の事情は、わからないのですが、約10年前にドイツに行くと西部地域では、いまだにドイツ赤白牛と呼ばれる乳肉兼用種を飼っていて、3産すると肥育して肉牛として出すことを行なっていました。
ところが、オランダに行くとホルスタイン種で、高泌乳牛もいました。
ヨーロッパでは、フランスは独自の体系があり、認定されたチーズなどの原料にする牛乳については、かなり厳しい規制があるそうです。(例えば、サイレージのような発酵したものは使わないなど)
そのようなことをして、チーズの付加価値を高めてかつこだわりの製品にしていることも大切なことでしょうね。
ところで、10年くらい前から日本で販売されている「免疫ミルク」(スターリーミルク)ですが、これは簡単に説明すると、乳牛に人の抗体を注射して、人が利用できるに有効な免疫抗体を作ることが出来るようにした粉ミルクです。最近いろいろな雑誌に紹介されてたりして注目されている健康食品です。
この研究は、アメリカでされたのですが、製造しているのは、ニュージーランドです。
最初、なぜアメリカで製造しないのか、わからなかったのですが、牛乳についていろいろ調べると、その第1は、ニュージーランドは、ほぼ完全な季節分娩ですので、濃度の高い時期の牛乳が集まることと
ニュージーランドの牛乳の単価は、約10円前後(年により変わる)ですのコストが安いなどと考えたのですが、なんせ牛乳単価安いために、ニュージーランドでは、草しか食べさせることが出来ないので、1頭当たりは、大変低い牛乳生産量です。
しかし、彼ら(ニュージーランドの人たち)と話をすると、1頭当りでなく、1ha当りでいくら搾るか(生産するかが)が大切なことであると言います。ですから、1haに何頭の牛を飼えるかが、勝負になると言います。そのために、草地の管理技術が非常に進んでいる(放牧のための)のです。
そのために、草以外余分なものを食べせることがないので、今個人的には、非常に質の良い牛乳ではないかと思います。(技術的な観点からみた、牛乳で)
しかし、その多くは輸出用に、加工(脱脂粉乳などに)されているのです。