牛のこころ、人知らず

月曜日, 4月 30, 2007

粗飼料は草のこと?

粗飼料と分類しているのは、牛の都合よりも人の勝手に分けていることかも知れませんが、「粗飼料とは何ですか?」と聞かれるとどう答えたらよいでしょうか?
英語では、FORAGEというのが日本での「粗飼料」に値すると思うのですが、このFORAGEの中に、HAY、SAILAGEが含まれていることになります。
「粗飼料」も乾草・サイレージが含まれていますが、これらのことを、以前は「粗繊維」と置き換えた言い方であったここがあります。
今も、同じ意味で使っている場面がありますが、「粗繊維」という大きな分類ではなく、より細かい科学分析により、繊維分の評価が変わってきたためにより「粗飼料」が曖昧なことになってきたような気がしています。
繊維分の分類から評価すると、乾草でなくても「粗飼料」としては、ビートパルプやヘイキューブ、ふすま、豆皮なども繊維分が多いもので、乾草などの代替になります。
これらのものを、ルーメンでの分解試験を行なうと、それぞれで多少結果は異なりますが、個人的な分類では、「粗飼料」と「濃厚飼料」の中間的な感じです。
中間的とは、「粗飼料」として半分、「濃厚飼料」で半分として見るのが妥当ではないかと思います。
「濃厚飼料」よりは、ルーメンに負担はかけないが、「粗飼料」のようにルーメンpHを安定はさせにくいというものですので、牛が乾物量が不足している場合などに不足分を補うように給与するのがベストだと考えています。
「粗飼料」とは、現場では、あくまでも牛が充分に反芻することができるものというのが基本であると思っていますので、「反芻が充分にできるもの」が「粗飼料」だと考えています。
そのために、例え栄養価が低くても「稲わら」などは反芻材料としては、日本ではもっとも適した原料で、実際に「稲わら」を給与して状態がよい牛群があるのも事実です。