牛のこころ、人知らず

日曜日, 10月 07, 2007

日本産肉研究会

今回の畜産学会の前日に日本産肉研究会というのが立ち上がりました。
設立して第1回の研究会が開催されたました。
この研究会は、今の肉牛の肥育技術が配合飼料給与を行なうことであるが、それはいわゆる「さし」である脂肪交雑主体の肉作りで、今では和牛などでは枝肉の50%が脂肪になってきています。
そこで、国内資源を有効に利用して肥育を行い、どちらかといえば「さし」ではなく「赤身」主体の肉作りを行なうことを研究しようということを目的になっています。
この先の見通しからすると、特に飼料原料としての麦類が高騰しており、大麦などは3ヶ月ごとに政府の入札がありますが、すでにかなりの価格になってきており、年明け以降は、一般的に肥育向けに使われている「圧ペン大麦」などは、kg当りの単価が100円を越えことも想定されています。
これは、オーストラリアの2年続きの旱魃の影響で小麦が世界的に不足になり、それにつられて麦類全体が大幅な値上げになっています。
その一方では、とうもろこしは比較的安定しており、乳牛用などでは大麦を使う割合が少ないこともあり肉牛ほどの価格にはならない見込みです。
しかし、肉牛では大麦の代替にとうもろこしに変えられる割合は高くなく、特に和牛向けでは大麦を使わないと牛が大きくなりにくいし、肉質でも「締まり」が悪くなったりして、枝肉価格が下がってしまうことになります。
知人との話で、「来年2008年は肥育農家は、かなりの割合で淘汰される可能性が高い」という認識で一致しています。
その中で、この日本産肉研究会の意義は大きいと思いますが、放牧した牛の肉が今のマーケットでの評価がどのようにされるかが、大きな鍵になると思います。
たしかに、産直や生協などとの取り組みで「安全」「安心」で届けられますが、実際にはこのレベル肉はオーストラリア・ニュージーランドの肉と競合する「グラスフィッド(草で肥育した牛)」ですので、どのように取り組むかは難しいと思いますが、皆さんどのように思われますか?
何か考えがあれば教えてください。